ヘルパーの仕事に携わる利点の一つに、よりよい介護ケアを学ぶことができるということがあります。介護される側だけではなく、自分が介護する時にも大きなプラスになります。
自宅での介護の際にベッドの上でお年寄りを動かす技術を知らないで腰痛になる人も多いものです。ぎこちない身体介護では、介護される側も気疲れしてしまいます。基本的な講習を受けてヘルパーの仕事をマスターすれば、そうした面で悩まされることもありません。
自分の肉親の認知症が進むことでノイローゼや鬱になる人もいますが、それも介護現場でリアルな実情を知ることで親子の関係を少し離れて客観的になることができるのです。何も知らないよりも心の準備が整いやすく、精神的な負担がグッと軽くなるでしょう。
そしてもう一つの利点として挙げられるのが、介護を続けることで培われたノウハウです。たとえば認知症の家族といっても、その進み方や家族の構成などを組み合わせていったら無数のケースがあります。そのさまざまな場面で実際にどういう介護がされて何が問題だったかというような貴重な実践例が、自分自身の人生の中で十分に活かされるのです。一生懸命に何年も介護の仕事をを続けても、やがてそのお年寄りが亡くなったら、その家での介護の経験もそれっきりになってしまいます。繋がりが強ければそれだけ悲しみも大きいかもしれませんが、そこで感じた色々な感情や介護の技術は決して失われることがありません。
介護のスキルは、人生に役立つ様々なことを教えてくれるのです。人の生活をサポートするというのは、大変重要な社会貢献です。介護で人生経験を深めながら、自分の身近な人や地域のお年寄りの幸せな暮らしを支えてみてはいかがでしょうか?